Atsushi YAMAMOTO

時間を過ごす家

展示作家 佐塚 真啓、永畑 智大、山本 篤、吉田 藍子
会期 2025年12月6日(土)・7日(日)・12日(金)・13日(土)・14日(日)
開館時間 10:00-17:00(入場は閉館の30分前まで)
入場料(税込) 1,000円
※高校生、18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料
会場 BAMBA宮川邸(東京都羽村市羽加美4丁目15−5)
主催 アベイルラボ
協力 労働者協同組合山の戸
助成 アーツカウンシル東京[東京芸術文化創造発信助成(単年助成)]芸術創造活動

展覧会WEBサイトはこちら
https://yamanoto.work/exhibition/

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作品や時間や環境と共にそこにあること

 おそらく私たちは、情報処理の速度を加速させることで効率や生産性を高めてきた一方で、膨大な情報と同じように「時間」までも処理の対象とし、その価値を低下させてしまっているのではないでしょうか。

 「打ち寄せる波」や「焚火」、「霧に包まれた山々」を眺めることは、いまや多くの人にとってスケジュールを調整して意識的に作り出す、いわば「贅沢な余白」となってしまったように思えます。

 はじまりと終わりを設計することは流れをつくることであり、展覧会や美術館においては入口から出口へと続く動線に反映されてきました。料理にたとえるならば、レシピに従って調理を進め、完成へと至るプロセスに似ています。

 しかし今回の企画が目指すのは、「ぬか漬け」に近い。通路的・一方通行的な動線を設定せず、家や庭、周辺地域を含む空間を来場者が思い思いに巡り、自らの感覚や体験を発酵させていく「ぬか床」のような場を作りたいと考えています。

 ここで改めて「時間」に立ち返りるなら、そもそも時間とは、私たちの都合で「つくったり」「処理したり」するような対象ではなく、むしろ「場」に近いものではないでしょうか。近代以降の哲学や科学が示唆してきたように、時間は流れ去るものではなく、私たちが身を置く場そのものなのかもしれないのです。

 美術作品を「時間が固定化された場(物)」と捉えてみることもできるでしょう。視覚的な形や物語性以上に、その作品に込められた作家の時間のベクトルを、観る者が自らの時間を投じることで体験する。それこそが作品を楽しむことの本質ではないでしょうか。

 今回の展覧会タイトルは「時間を過ごす家」としました。私たちは「時間を過ごしていないことはあり得るのか」という根源的な問いを背後に置きながら、時間も作品も環境もすべて等価に「共にあるもの」として楽しんでもらいたいと願っています。

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